2%程度の成長率実現に必要な需要項目は

 これらの4つで表される「強い日本経済」の姿とはどのようなものだろうか。

 現在の日本経済は、成長率1%程度、インフレ率3%程度、政策金利0.75%、為替レートは150円台後半という組み合わせの中にいる。

 強い日本経済の実現とは、この組み合わせをどう変えることなのか。1つの思考実験として、成長率を2%程度、インフレ率を2%程度で安定させることだと考えてみよう。その組み合わせに近づく過程で、政策金利どうなるか、為替レートはどうなるだろうか。

 成長率を2%に引き上げるためには、需要項目のどれかが持続的に拡大しなければならない。候補は、個人消費、企業投資、政府支出、輸出のいずれか、あるいは複数である。

 高齢化と人口減少が進む中で、個人消費が自律的により力強くなっていくとは考えにくい。何らかのかたちで消費税減税が実現したとしても、いつ人生が終わるか分からないという根源的な不確実性に直面する個人がさらに増加し、人口全体も減少していく中で、個人消費が傾向的に力強さを増していく姿はなかなか描きにくい。

 また、輸出についても、生産拠点の海外移転が進んでしまい、加えて他の新興国との価格競争が厳しくなっている現状で、これを日本経済成長の主役とするのは容易ではないだろう。

 そうすると、残るは企業の設備投資か政府支出ということになる。高市政権はすでに、政府支出を通じて企業投資の呼び水を作るという方針を打ち出している。これは「成長率2%」という均衡解のイメージと整合的だ。

 ここで重要になるのは資金の流れだ。