日本は防衛力強化と産業基盤拡充を両立させる好機に

 第1に、防衛に対する米国依存の限界を認識する必要性である。

 トランプ政権による同盟国の防衛費増額要求は、米国の単独秩序維持の終焉を意味する。韓国が防衛力増強を対北朝鮮抑止の自立化として再認識したのと同様に、日本も東シナ海・台湾海峡における一次的防衛責任を再認識し、その能力を早期に完備することが求められよう。特に、その背景・意義・方向性を丁寧に説明し、国民と共有する努力が欠かせない。

 第2に、日本の能力構築に独自性を高めることである。

 韓国が推進する国産弾道ミサイル、戦闘機開発や原子力潜水艦保有は、米国への依存軽減を目指すものである。日本は、最近「抜本的な防衛力強化」を目指しながらも、主な攻撃手段に関しては依然として米国への依存度が高い状況にある。それは同盟関係への配慮などを含んでの決定であると考えられるが、昨今の世界情勢を鑑みると日本が追求する防衛力の「強靭性」には繋がらない。

 第3に、防衛予算増額がもたらす経済波及効果の極大化である。日本も防衛予算増額に伴い防衛産業に対する期待がますます高まっている。しかし、内需市場での低い利益率、輸出(装備移転)への過度な制限は防衛産業の体質改善を妨げる要因となる。防衛産業の効率性向上を伴う成長は、日本が目指す防衛力強化の根幹になり得る。

 結論として、日本が今後取り組むべきは、防衛費増額の「質的設計」である。単なる米国製装備の購入増ではなく、

①国産開発への配分拡大
②防衛産業の輸出環境整備
③地域安定を前提とした地域内の同志国、例えば韓国との防衛協力の制度化

 この3つを同時に進める戦略的な予算編成が求められる。

 韓国が示したのは、外部圧力を自立の契機に転換する「したたかさ」である。日本もまた、米国の要求を単なる負担として受け止めるのではなく、防衛力強化と産業基盤拡充を両立させる好機として捉えるべき時を迎えている。