ルイジアナ、アラスカ獲得に次ぐ大事業
トランプ氏のレガシー(遺産)づくりに資するというのが最初の目的だった。グリーンランド取得は19世紀のルイジアナやアラスカ獲得に匹敵する大事業だからだ。
当初はあまり真剣に検討されなかったが、対中強硬派が「中国が狙っている。その前にグリーンランドを買うべきだ」と主張したため、トランプ氏は2019年8月にグリーンランドの買収計画を発表した。
対中強硬派の主張も誇張だった。
グリーンランド当局者によれば、中国は2018年にグリーンランドで空港建設事業を試みたが、米国の圧力に応じてデンマーク政府はこれを拒否した。それ以降、中国は実質的な事業展開をほとんど行っていない。
天然資源が豊富なグリーンランドの領有は経済的利益ももたらす。
気候変動で氷床が溶けたことで採掘が容易になったため、近年、グリーンランドが擁するレアアース、ウランなどに関心が高まっている。
このため、トランプ氏は「鉱物資源が豊富なグリーンランドを米国が管轄することが国家安全保障にとって重要だ」と強調する。
米国はグリーンランドでの資源採掘計画も着々と進めている。
トランプ政権は2期目に入り、グリーンランド最大規模のタンブリーズ鉱床に目を付け、米国輸出入銀行は昨年6月、レアアース開発を目的に1億2000万ドルの資金供給を決めた。8月には同鉱床からルイジアナ州にレアアースを供給する長期事業計画も決定した。
立役者であるルイジアナ州知事のランドリー氏は、トランプ氏からグリーンランド担当特使に任命され、資源開発で得た利益を現地住民に分配する経済協力案を提唱している。
ロイターは8日、「米政権が住民1人当たり最大10万ドル(約1580万円)の一時金の支給を検討している」と報じたが、ランドリー氏の提案をベースに具体的な懐柔策が策定されることになるだろう。