2026年の大発会、日経平均株価は一時1000円超の上昇となった(写真:ロイター/アフロ)
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(中島 厚志:エコノミスト)

 2025年の世界経済は、アメリカの関税引き上げや中国の不動産市場の低迷といった下押し要因を抱えながらも、欧米を中心とするインフレ率の低下、金融政策の転換、アメリカの堅調な個人消費、さらに旺盛なAI関連投資に支えられ、底堅い成長を維持した年となった。

 2026年についても、アメリカ経済の緩やかな減速や中国の不動産不況の長期化が見込まれるものの、アメリカの関税引き上げの影響が徐々に一巡することに加え、主要国で地政学リスクへの対応やAI・エネルギー分野を中心とする投資が引き続き拡大し、世界経済全体としては3%前後の成長率を維持する可能性が高い。

 こうした中で、日本経済は相対的に堅調な推移が見込まれる。価格転嫁の一巡や食料品価格の上昇圧力の緩和により、物価上昇率は徐々に落ち着くと見られる。仮にエネルギー・間接税負担の軽減策が実施されれば、実質購買力の改善を通じて、名目賃金上昇を背景に回復し始めている消費マインドをさらに下支えする可能性がある。

 また、アメリカの関税引き上げの影響が限定化していくことは、円安やインバウンド需要と相まって、日本企業の収益環境と投資意欲を引き続き支える要因となろう。政府による戦略投資や対米直接投資の拡大も、設備投資や研究開発を通じて景気の下支えに寄与すると考えられる。

 ところで、2026年の世界経済では、地政学リスク、AIの急速な進展、温暖化対策、人手不足といった要因を背景に、経済安全保障、防衛、サプライチェーン再編、AI・半導体、電力・グリーン、省力化といった実に幅広い分野で日米欧揃って投資が一段と盛り上がりそうな点が注目される。しかも、これらの投資は、一時的ではなく持続すると見込まれるものばかりである。