Mohamed HassanによるPixabayからの画像
- トランプの関税率の平均値は年末に今よりも高くなっているか?
- ウクライナの和平交渉の一環でウォロディミル・ゼレンスキーはドンバス地方をあきらめざるを得なくなるのか?
- 米国の共和党は連邦議会の主導権を失うか?
- AIバブルは破裂するか?
- フランスの解散総選挙はあるか?
- 中国の人民元レートは上昇するか?
- ドイツのための選択肢(AfD)に対する「防火壁」は崩れるか?
- 日本の首相は1年後も高市早苗のままか?
- 中央銀行は利下げサイクルをやめるのか?
- キア・スターマーは英労働党の党首辞任を求められるか?
- プライベート・クレジットの「ゴキブリ」がさらに姿を現し、巨額の損失を発生させるのか?
- サウジアラビアとイスラエルは国交を正常化するか?
- 家庭用ロボットは実用化されるか?
- アフリカの経済成長率はアジアのそれを上回るか?
- 金の価格は1オンス5000ドルを超えるか?
- 実用に供する強力な量子コンピューターは稼働するか?
- ブラジルのルラ大統領は記録となる4選を果たせるか?
- すべてAIで生成された楽曲がヒットチャートの1位になるか?
- イーロン・マスク率いるテスラは米国、EU、中国での市場シェア低下傾向を反転させるか?
- アスリート長者番付の最上位50人に女性は名を連ねるか?
- 同点決勝問題:ドナルド・トランプは2026年に大統領令を何本発令するか?
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2025年12月31日付)
本紙フィナンシャル・タイムズ(FT)執筆陣は昨年の予想で大物を1つ的中させた。
ドナルド・トランプが米大統領に復帰したことで世界はますます予測不可能になったのだ。
例年は20件の予測のうち2件ほどしか外さない(いや、確かに4、5件外す年もある)。昨年は7件も外し、過去最悪の成績に終わった。
交渉はまとまりそうなところまで進んだものの、ウクライナとロシアの和平は実現しなかった。米国金利は低下した。イーロン・マスクとトランプはケンカ別れした(その後いくらか仲直りしている)。
英国の労働党政権は大型増税を盛り込んだ予算を再度編成した。
そして執筆陣はビットコインの価格が20万ドルを超えるという見通しについてあまりに楽天的すぎたし、電気自動車(EV)が全世界の自動車販売台数の4分の1を占めるとの見通しについては悲観的すぎた。
それでもめげず、執筆陣は今年も危険を顧みず予測に挑む。
テーマは米国中間選挙から中国人民元、人工知能(AI)バブル、プライベート・クレジット、家庭用ヒューマノイド(ヒト型ロボット)や量子コンピューターが実用化される可能性まで多岐にわたる。詳しくは以下をお読みいただきたい。
FT編集室で水晶玉を見つめる執筆陣は、今回も高慢の鼻を読者にへし折られた。
全問正解者は18人に上り、うち1人が優勝決定戦を制した(お名前はご本人の希望により伏せる)。今年挑戦しようという方は、以下のリンクから回答、本名、電子メールアドレスを入力していただきたい。
よい年でありますように!
By Neil Buckley
リンク先:FT readers: submit your predictions for 2026
トランプの関税率の平均値は年末に今よりも高くなっているか?
答えはノーだ。
大統領は税収の増加、主要産業の保護、貿易相手国への政治的協力の強制、そして貿易赤字の縮小を理由にすべての貿易相手に関税を課すぞと脅しをかけつつホワイトハウスに乗り込んできた末に、話はそれほど単純ではないことに気づいた。
2025年4月の「解放の日」を受けた株価急落、中国からの報復の脅し、その他の国々からの譲歩の申し出、そして消費者物価の上昇なども関税引き上げ作戦の勢いを削いだ。
2026年末までには、大統領は最高裁判決によって既存の関税を異なる税に切り替えることを余儀なくされるかもしれないが、半導体と医薬品への関税の脅しは概ね引っ込め、その他の品目については特別な取り決めを結ぶことで税率を引き下げているだろう。
By Alan Beattie
ウクライナの和平交渉の一環でウォロディミル・ゼレンスキーはドンバス地方をあきらめざるを得なくなるのか?
答えはノーだ。
ロシアは、全面戦争を4年近く続けながら制圧できていないドネツク州の4分の1およびルガンスク州の一部を割譲するようウクライナに要求している。
米国の交渉担当者も、これをウクライナ政府が和平と引き換えに払わねばならない対価だと考えているようだ。
だが、ドンバス地方の攻略されていない部分まで引き渡すことは、軍事上、憲法上そして政治上の理由からゼレンスキーにとって危険すぎる。
どちらの側も支配しない非武装地帯を作るために両軍が後退するという案はうまくいかないだろうし、ロシアにもウクライナにも受け入れられない。
ウクライナが降伏せざるを得なくなるのは、防衛線の崩壊という起こりそうにない事態が起きる時だけだろう。
By Ben Hall