どうなる選挙協力、「大阪問題」と選挙制度改革の行方は

 もう1つ、見逃せない要素があります。それは政党間の選挙協力。とくに与党間の選挙協力がどのような形で成立するかは、解散に関する首相の判断や、選挙後の体制づくりに大きく影響します。

 自民党と公明党の連立政権が長く続いたのは、両党が互いの小選挙区に対立候補を擁立しない「候補者調整」が成立していたからです。しかし、自民と維新はそうした合意のないまま連立合意を結びました。

 維新は大阪の小選挙区で圧倒的な強さを誇り、自民の協力がなくても多くの候補者が当選を見込める状況にあります。この「大阪問題」に関する自民党の対応が焦点の1つです。

 小選挙区で維新に対立候補を立てれば、維新との間に亀裂を生むことは避けられません。逆に擁立を見送れば、自民党内、とくに大阪の地方組織では不満が強まり、離党者も出かねません。党執行部は難しい対応を迫られることになるでしょう。

 小選挙区では、国民民主党も維新と似た立場に置かれる可能性があります。

 国民民主党が小選挙区で得た議席のほとんどは、自民候補を破って得たものです。これらの議席を維持、拡大することが、次の選挙での国民民主党の目標ですが、多くの小選挙区では自民党の組織力が国民民主党のそれを上回っているのが実情です。

 仮に国民民主党が自民党との連立に加わった場合、果たして候補者調整は機能するのでしょうか。連立に加わっても、国民民主党が議席を持つ小選挙区に自民党が候補を立てれば、与党候補同士が競うことになり、国民側が敗北する可能性も出てきます。

 玉木氏は、選挙制度が「連立入りのネックになる」という考えです。現行の小選挙区制では自民とぶつかり合うので、1選挙区で複数の候補が当選でき、有権者も複数の候補に投票できる「中選挙区連記制」の導入を念頭に制度改革を求めているのです。

 いずれにしろ、維新や国民民主党との強固な関係を築かない限り、高市首相は不安定な政権運営を強いられます。重要局面で判断を誤れば、高市政権が短命に終わる可能性も否定できません。2026年の日本の政治は、この3党の動向が大きなカギを握っていると言えるでしょう。

フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。