こどもNISAをどう使うか(写真:kenchiro168/Shutterstock.com)
(我妻 佳祐:ミニマル金融研究所代表)
高市政権の金融関連政策の目玉の1つである「こどもNISA(仮称)」について、令和8年度与党税制改正大綱に明記されました。2027年からのスタートを目指しているとのことです。来年の通常国会で具体的な制度設計に向けた議論が進められていくことと思います。
こどもNISAとは、現在は18歳以上しか利用できないNISAを0歳から17歳まで、つみたて投資に限り年間60万円まで、つみたて上限600万円まで利用可能にしようというものです。
ジュニアNISAはなぜ、不評だったのか
以前、ジュニアNISAというものがあり、年間80万円まで積み立てることができました。ただ、私も利用していましたが、使い勝手がイマイチで、あまり利用されないまま2024年の新NISAスタートと同時に終了してしまいました。
ジュニアNISAはコンセプトとしてはとても合理的で、長期運用でリスクを減らし、学費が必要になるタイミングである18歳で取り崩すことで家計の教育費負担を減らすことができるというものです。私も使っていますが、最近の株式市場の好調さを受けて6年で約3倍になっており、このペースで行けば国立大の授業料くらいはカバーできそうです。
ジュニアNISAの不評を受けて、こどもNISAでは取り崩しを12歳から可能にするなどの利便性の改善を行うようですが、私としては、ジュニアNISAが使われなかった本質的な理由は必ずしも「不便だから」という理由だけではないと思っています。
