高市政権で通称「こどもNISA」は実現するか(写真:ロイター/アフロ)
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(我妻 佳祐:ミニマル金融研究所代表)

 2025年10月21日、波乱の末に高市内閣が成立しました。

 憲政史上初の女性総理ということで、女性が日本の指導者になるのは北条政子以来800年ぶりだという声もあります。少数与党で政権運営には不安定さがつきまといますが、政権の安定は経済成長の必要条件でしょうから、まずは順調な滑り出しを期待したいところです。

 ところで、総裁選・首班指名選挙を通じて、それほど金融に関する議論はなかったように感じました。というか、むしろ金融関係の政策を前面に押し出していた岸田元首相が特殊であり、普通は金融関係の政策は大きなテーマになりにくいというのが実際のところでしょう。高市政権でもこれまでの「貯蓄から投資へ」の流れは継承されていくものと思っています。

 さて、これから2026年度の税制改正が佳境を迎えていくわけですが、個人的に気になっているのはやはりNISAの対象年齢を現状の18歳以上から0歳以上まで拡張する、通称「こどもNISA」です。

 以前、「ジュニアNISA」というものがあったのですが、あまり人気がなくサービスを終了してしまいました。私としてはコンセプトは非常に優れていたと思うのでサ終は残念だったのですが、今回改めてこどもNISAが導入される見込みということで期待しています。

 こどもNISAのなにがよいのかというと、こどもが大学に進学する際の費用に備えるのに最適であるというところにつきます。いわゆる「学資」への対応です。

 ここまで読んで「そんなバカな!」と思われた方もいるでしょう。こどもの進学費用は極めて重要な資金であり、手当ができなかったらこどもの未来が閉ざされてしまうかもしれません。そうした資金をこどもNISAで、すなわちリスク性資産である投資信託で手当をするというのは有り得ないのではないか、と思う人もいるでしょう。

 しかし、それでもなお学資をこどもNISAで準備することには十分な合理性があります。