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年金だけで老後は暮らせるのか。現役時代にどれほど収入が必要なのか。Money&You代表でマネーコンサルタントの頼藤太希さんが、具体的な試算を基に将来もらえる年金の現実を解説します。JBpressのYouTube番組「頼藤&日南のMoney Survivor」の年金編、第3回目のテーマは「年金で手取り20万円は無理ゲーか」です。数字で見る老後資金のリアルを学びます。

※JBpress公式YouTubeの新番組「頼藤・日南のMoney Survivor|年金編」では、グラフや表などを使ってわかりやすく解説しています。ぜひ、YouTubeでご覧ください

「年金だけ生活」は赤字?平均給付額は月14.6万円

頼藤太希:これまでは年金が「お得」な制度であることを解説してきましたが、今回は年金の少し厳しい現実をお話しします。テーマは「年金で手取り20万円は無理ゲーか」です。

 総務省が2024年に行った「家計調査」によると、高齢夫婦無職世帯(65歳以上)の消費支出は、1カ月あたり25万6521円。高齢単身無職世帯(65歳以上)の消費支出は、1カ月あたり14万9286円でした。

 一方で、年金の平均給付額は14万6429円(厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」)。

 こうした状況を踏まえると、年金は手取りで月20万円あればいいなと感じる方も多いかと思います。

 でも、この「手取り20万円」という目標は、実はかなり厳しい。どれだけ大変なのかを一緒に見ていきましょう。

日南結里:年金って、なんとなく額面の金額をそのままもらえると思っていました。手取りということは、給料みたいに色々引かれてしまうのですか…?

(写真:years/イメージマート)

頼藤:そうです。実は、年金からも税金や社会保険料が引かれます。

 具体的には、所得税、住民税、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料が差し引かれます。この中で一番大きいのは介護保険料です。

日南:全部引かれたら、どれくらい残るのでしょう…?

頼藤:年金生活者の多くは5〜10%程度差し引かれています。ただし、年金額が増えれば差し引かれる税金・社会保険料も増えます。年金額面が240万〜300万円だと15%程度引かれます。

 手取り20万円を確保する場合は15%程度引かれることを想定し、額面上の年金=20万円÷0.85=23万5294円となります。

日南:なるほど…結構引かれるんですね。

頼藤:はい。では、次はその「額面23.5万円」をもらうには、現役時代にどれだけ稼げばいいのかを見ていきましょう。