コロナ特需からの「スーパーサイクル」が底流に
最新モデルのヒットに加え、市場構造的な背景もアップルの躍進を支えている。
2020年から2021年のコロナ禍におけるデジタル特需で購入された端末が、一斉に更新時期(リプレースメント・サイクル)を迎えているためだ。
市場関係者の間では、一部の新形状モデルに対する評価が分かれる場面もあったものの、巨大な買い替え需要の波と、強固なiOSエコシステムによる囲い込み効果が、結果として記録的な出荷増につながったと分析されている。
2026年は「谷間の年」に、部材高騰が直撃
2025年が記録的な年となる一方で、来る2026年に向けては慎重な見通しが示されている。IDCは2026年の世界出荷台数について、0.9%の減少に転じると予測した。
主な要因は、世界的なメモリー半導体の供給不足と価格高騰だ。
部材コスト(BOM)の上昇は避けられず、メーカー各社は価格転嫁を余儀なくされる。特に価格競争の激しい低~中価格帯のAndroid端末にとっては、収益性を圧迫する逆風となる。
アップルにとっても2026年は調整局面となる可能性がある。
次期モデル「iPhone 18」のベースモデル発売が、通例の秋から2027年初頭へずれ込むとの観測が出ており、これが2026年の出荷台数を4%以上押し下げる要因になるとみられている。