「台数」から「価値」へ、市場規模は過去最高へ
出荷台数が頭打ちとなる中で、市場の主戦場は「量」から「質(単価)」へとシフトしている。
象徴的なのがアップルの業績だ。2025年のiPhone売上高は単独で2610億ドル(約40兆6000億円)を超えると試算されており、高付加価値製品への需要集中を裏付けている。
こうした傾向と部材コスト増に伴う価格改定により、スマートフォンの平均販売価格(ASP)は上昇基調にある。
2026年のASPは465ドル(約7万2000円)に達し、市場全体の売上規模は過去最高の5789億ドル(約90兆円)を記録する見通しだ。
2025年の「首位奪還」は、単なるランキングの変動にとどまらない。成熟市場において、いかに高付加価値製品で買い替え需要を取り込むかが勝敗を分けることを如実に示したといえる。
2026年以降、各社は台数を追う戦略から、AI機能や新たな付加価値による収益性の確保へと、より一層舵を切ることになりそうだ。
(参考・関連記事)「Apple、14年ぶり世界シェア首位奪還へ 『スーパーサイクル』が個別の課題を打ち消す | JBpress (ジェイビープレス)」