自分のセクシュアリティについて、包み隠さず、発信してきたジョージ・マイケル。一方で隠してきたこともある。
死後に明らかになった数々の慈善活動
ジョージが露出事件後、社会奉仕活動を行なったのはハリウッドを拠点に長年、難病患者に食事を提供してきた団体「プロジェクト・エンジェル・フード」。彼は何年も前から団体に寄付しており、資金繰りが行き詰まった時にも黙って寄付金を差し出している。
英国最大規模のHIV・エイズ関係のチャリティ団体、テレンス・ヒギンズ・トラストにはアルバム『レディース・アンド・ジェントルマン…ザ・ベスト・オブ・ジョージ・マイケル』のイギリスでの印税を全て寄贈。ほかにも多くの慈善活動を行いながら、匿名にしていたため、死後になってから、続々と明らかになった。
ジョージ・マイケルが50万ドル以上寄付をしたプロジェクト・エンジェル・フード(A PROTOCOL MEDIA PRODUCTION ©2022)
傷つくことに人一倍、敏感だったジョージ・マイケルは傷ついた人々のことを誰よりも気にかけていた。同じように街で流れるマライア・キャリーのクリスマスソングのウキウキさとは裏腹に、彼の歌はクリスマスを寂しく過ごす人にもそっと寄り添う。
亡くなってもなお、多くの人を支え続ける優しい歌声。彼のセクシュアリティは決して、ダメージにはなっていない。

『ジョージ・マイケル 栄光の輝きと心の闇』
12月26日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、kino cinema新宿ほか全国順次公開
監督:サイモン・ネイピア=ベル
出演:ジョージ・マイケル(アーカイブ)、アンドリュー・リッジリー(アーカイブ)、スティーヴィー・ワンダー、スティーヴン・フライ、サナンダ・マイトレイヤ、ルーファス・ウェインライト、ディック・レイフィー
2023年 / イギリス / 94分 / カラー / 英語 / 原題"George Michael: Portrait of an Artist"/ 字幕監修:山本さゆり / 配給:NEGA







