ニューヨーク・マンハッタンを走るウェイモの自動運転タクシー(11月26日、写真:ロイター/アフロ)
目次

 米アルファベット傘下で自動運転技術を開発する米ウェイモが、米国の主要3都市圏でロボタクシーの高速道路(フリーウェイ)サービスを開始してから約1カ月が経過した。

 サンフランシスコ、ロサンゼルス、フェニックスで始まったこの有償サービスは、同社にとって新たな一歩となった。それまでは一般道での運行が中心だったが、新たに高速走行という領域に踏み込んだ。

 この動きは、ロボタクシーの商業化が「点」から「線」へと広がり、都市間移動をも視野に入れた新たな段階に入ったことを示す。

 長距離移動の時間を短縮し、空港アクセスなどの利便性を飛躍的に高める狙いがあり、自動運転の覇権争いにおける同社の技術的優位性を改めて印象付けた。

空港アクセスなど利便性向上、サンノゼにも拡大

 ウェイモが11月12日に発表した新サービスは、同社の配車アプリで目的地を設定した際、システムが「高速道路ルートの方が著しく速い」と判断した場合に、自動でその経路が選択されるというものだ。

 これにより、2023年から一般道経由でサービスを提供していたフェニックス・スカイハーバー国際空港(PHX)へのアクセスなどが、迅速化した。

 加えて、ウェイモはサンフランシスコ・ベイエリアでのサービス提供地域をサンフランシスコ半島全域に拡大し、新たにサンノゼ・ミネタ国際空港(SJC)での送迎サービスも開始した。

 これにより、空港への移動といった、より迅速な移動が求められる需要に幅広く応えられるようになった。

 サービスはまず、早期アクセスを希望する一般利用者に提供し、段階的に対象を拡大している。

 車両は法定最高速度(時速65マイル=約105キロメートルの区間が多い)の範囲内で走行するが、ウェイモによれば、安全確保のための異例の状況下では、制限速度をわずかに超える場合もあるという。