アマゾン・ドット・コムのニュジャージー州にある配送センター(12月1日、写真:ロイター/アフロ)
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 米アマゾン・ドット・コムが、超低価格帯のEコマース(EC)サービスをグローバルに拡大する動きを本格化させている。

 同社は2025年11月上旬、低価格ショッピングアプリ「Amazon Bazaar(アマゾン・バザール)」を、アジア、アフリカ、中南米などの14の新たな市場で提供開始したと発表した

 これは、米国や日本など8市場で展開する「Amazon Haul(アマゾン・ホール)」や、既に3市場で展開中のBazaarのサービスを拡大するもの。 これにより同社の低価格ECサービス展開の舞台は合計25市場となった。

 中国発の「Temu(テム)」や「SHEIN(シーイン)」が切り開いた超低価格市場に対し、アマゾンは「守り」と「攻め」の両面作戦に出る構えだ。

10ドル未満が中心、独立アプリで展開

 アマゾンが11月7日に発表したBazaarでは、主に10米ドル(約1500円)未満、一部商品は2米ドル(約300円)程度で販売されるファッション、家庭用品、ライフスタイル雑貨などを扱う。

 香港、フィリピン、台湾、ナイジェリア、ペルー、アルゼンチンなど14の国と地域で、独立したショッピングアプリとして提供を開始した。

 このBazaarは、2024年11月に米国で始まったHaulと実質的に同じサービスだ。Haulは現在、米国、日本、英国、ドイツ、オーストラリアなど8市場のアマゾンアプリ内で展開。

 Bazaarは、今回の14市場への拡大に先立ち、メキシコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の3市場で提供されていた。アマゾンは、対象地域の言語や文化的な嗜好に合わせて、これら2つの名称を使い分けていると説明する。

 サービスには、中国系ECアプリが得意とする「ソーシャル福引」やプロモーションといった、利用者の関心を引くためのインタラクティブな機能も盛り込んでいる。