背景に中国系ECの脅威、国際市場に活路
アマゾンがこの分野を急拡大させる背景には、TemuやSHEINといった中国発競合の急速な台頭がある。これらの企業は、超低価格なビジネスモデルで世界的に利用者を増やしてきた。
特に米国市場では、かつて「デミニミス・ルール(800ドル以下が対象の少額輸入免税制度)」を最大限に活用することで、その成長を加速させていた。
アマゾンにとって、これらのサービスは、自社の中核顧客(特に価格に敏感な消費者や若年層)の流出につながる脅威となっていた。
米調査会社イーマーケターは、アマゾンによるHaulやBazaarの展開を「買い物客がTemuやSHEINに流れるのを防ぐための防衛的な動き」と分析する。
一方で、アマゾンはグローバル市場を今後の重要な成長ドライバーと位置づける。
今回のBazaarのスタンドアロン・アプリとしての展開は、新興市場の価格重視の消費者層に直接アプローチし、新たな顧客基盤を開拓する狙いがある。