アマゾン傘下のホールフーズ・マーケットで商品を駐車場まで運び積み込むのを手伝うアマゾン社員(2025年9月3日フィラデルフィアで、写真:ロイター/アフロ)
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 2025年末、米アマゾン・ドット・コムは大きな転換点を迎えた。

 同社が長年築き上げてきたEコマースの牙城に対し、米オープンAIや米グーグル、米パープレキシティといったAI各社が「ショッピングエージェント」を次々と投入。

 消費者がアマゾンのサイトを直接訪れずに、チャット画面上で買い物を完結させる新たな購買モデルの普及を狙っている。

 こうした中、アマゾンは「リーダーのジレンマ」に直面している。

 自社プラットフォームを外部に開放するのか、それとも徹底抗戦を続けるのか。その決断を迫られている。

守備から攻守両面への戦略転換

 アマゾンの直近の動きを振り返ると、その姿勢は複雑だ。

 同社は11月、ユーザーに代わって自動購入を行うスタートアップのパープレキシティを提訴した。ウェブサイトからの情報自動収集がその理由だ。

 12月には、主要AI各社のボットを含む47のクローラー(自動巡回ソフト)を遮断した。これは、競合他社のAIモデルに自社の知的資産を無断で取り込ませないための、戦略的な「情報の囲い込み」といえる。

 膨大な蓄積データが他社の糧になることを防ぎ、プラットフォームとしての優位性を死守する狙いがある。

 一方、アンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)は2025年10月の決算説明会で、サードパーティーのエージェントと提携する方針を示唆した。

 加えて、経営開発部門において、「エージェンティック・コマース(自律型コマース)」の戦略的パートナーシップを推進するリーダー職を募集し始めた。

 2025年前半の「遮断」一辺倒の姿勢から、外部エージェントを取り込む「共存」へと、静かに舵を切り始めている。