サマーズは「一帯一路」政策に手を貸したか
金刻羽氏との「内密な関係」や同氏の父親が「一帯一路」政策の責任者であることから、サマーズ氏が中国サイドと特別な関係にあったのかなかったのか、今後、そうした視点から調査が進む可能性はある。
実際、「ハーバード・クリムゾン」や一部メディアは、サマーズ氏がエプスタイン元被告に送ったメールの中で、金刻羽氏や金立群氏について言及している点を指摘している。
また金立群氏がAIIBの創設責任者であり、一帯一路に関連する重要人物であることも報じている。
しかし、ロイター通信や学術的解説では、サマーズ氏と金立群氏との接触については報じつつも、政策的な共謀や一帯一路政策推進への直接的関与を示す証拠は示していない。
とはいえ、保守系の「The Federalist」など、サマーズ氏の判断や金刻羽氏との親密さを根拠に「中国側と近すぎるのではないのか」と批判的に書くメディアはある。
(Larry Summers Cozied Up To Epstein, And Likely The CCP)
サマーズ氏は、過去にAIIB設立や米中の国際金融秩序についてコメントしてきた記録はあるが、政策決定や一帯一路政策への資金協調を直接指揮したといった事実は、現在のところ確認されていない。
トランプ氏は、エプスタイン関連の民主党系要人たちの疑惑を徹底究明するよう司法省に命じている。下院監視委員会の追及も続けられている。
サマーズ氏の醜聞はともかくとして、金立群・金刻羽親子との関係に見られるサマーズ氏の対中スタンスも問題にされる可能性は否定できない。
現時点で、保守系メディア「The Federalist」などは対中癒着を示唆しているが、現時点でそれを裏づける客観的証拠は報じられていない。
ひょうたんから果たして駒が出るかどうか。
エプスタイン問題は、未成年者に対する性的虐待の追及という本題から外れて、様々なスピンオフな話題へと裾野を広げている。