渦中の人となったラリー・サマーズ氏(7月9日撮影、写真:REX/アフロ)
ハーバード学生新聞が徹底追及
保守的なオンライン論説サイト「American Thinker」はこう書いた。
「ハーバード大学のラリー・サマーズ元学長は、彼自身が思っているほどセクシーな男だと誰もが思っているわけではない。ここに現実がある」
「学生新聞の『Harvard Crimson』(ハーバード・クリムゾン)*1は、サマーズ氏とジェフリー・エプスタイン元被告の関係について徹底的な調査を行い、新たに卑猥で気味の悪いやり取りの内容と職権乱用による深刻な事態を見つけ出した」
(編集部注:ジェフリー・エプスタイン元被告とは、未成年者に対する性的虐待で逮捕起訴され拘留中に死亡した実業家で、世界中の有名人や実業家と親交があったとされる。米上下院は同氏に関する資料の公開を求める法案を可決し、ドナルド・トランプ大統領が署名して11月19日に成立している)
*1=同紙は1873年創刊の学生が運営する日刊紙で編集方針も学生が決定、大学内外で一定の信頼性と権威を得ている。大学や教授に対する批判記事も掲載している。ジョン・F・ケネディ第35代大統領がビジネス担当編集者を務めたことがある。
同紙によると、サマーズ氏がメンティー(Mentee=門下生)と呼ぶ女性(コードネーム)「Peril」*2との恋愛関係を模索していた際、長年の友人であるエプスタイン元被告に助言を求めたという。
*2=サマーズ氏(当時63)が自分の「門下生」と呼んでいたのは、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(London School of Economics)准教授だった金刻羽氏(Keyu Jin=当時36歳、現在香港科技大学経営大学院教授)。「Peril」というあだ名については、米メディアの一部が人種差別的な「Yellow Peril」(黄禍)を連想させると批判している。
金刻羽氏の父親は中国財務部副部長(財務省次官)だった金立群(Liqun Jin)氏。
サマーズ氏は金刻羽氏をハーバード大学で教えたことはなく、メッセージやメールで学術研究を指導していたようだ。金立群氏は習近平国家主席の推進する「一帯一路」政策に関与していたとされる。
American Thinkerはハーバード・クリムゾンを引用する形で次のように書いている。
●彼女は、彼が望むような性的関係を望まなかったので、サマーズ氏はセックスをしなければ「指導」をやめると伝えた。
●サマーズ氏は、彼女を「かけがえのない存在で興味深い」と感じており、「ロマンスとセックスなしでは彼女は幸せになれない」と思い込んでいた。
(Harvard's Larry Summers-Jeffrey Epstein sex scandal gets more sordid)