ルラ大統領は国内では「二枚舌」 と批判され続けてきた
「先住民にはさまざまな表現方法がある。COP議長国として『人々の円卓』を設け、先住民組織と協議してきた。ブラジルは人々が自分のやり方で抗議できる強固な民主主義を持っている。COPをアマゾンで開いたのは最も脆弱な人々の声に耳を傾けるためだ」(トニーCEO)
誤った気候変動対策に抗議するボートパレード(筆者撮影)
11月12日には約60カ国5000人の参加者を乗せた200隻以上のボートがグアジャラ湾に集結し、筆者も乗船した。誤った気候変動対策に抗議して、持続可能な答えは水域・地域、森林に住む人々が先祖伝来の慣習を大切にして抵抗することにあると訴えた。
ルラ大統領は世界では「環境正義のチャンピオン」「アマゾンの守護者」と評価される一方、国内では「二枚舌」 と批判され続けてきた。森林破壊を進めたジャイル・ボルソナーロ前大統領はクーデターを企てた罪などで禁錮27年3月の判決を受け現在、控訴中だ。
ブラジルのルラ大統領(写真:ロイター=共同)
森林破壊の面積はボルソナーロ時代(22年)の1万1600平方キロメートルからルラ政権に移行した23年9064平方キロメートル、24年6288平方キロメートル、今年5796平方キロメートルと激減した。ルラ大統領がボルソナーロの森林破壊政策を逆転させたのは間違いない。