森林破壊、鉱山開発、金採掘に伴う水銀汚染
ムンドゥルク族は「われわれの聖なる川がブラジル政府によって商業利用のために事実上“民営化”されている」と批判する。川は「資源」なのか、「聖なる生命」なのか、2つの異なる世界観が真正面から衝突している。
ムンドゥルク族の領域で森林破壊、鉱山開発、金採掘に伴う水銀汚染で魚が死に、生活や文化が脅かされている。違法・合法を問わず、金鉱山、大豆などの大規模農業、鉄道・道路・河川輸送の物流インフラの開発が進められる最前線になっている。
あらゆる事業がムンドゥルク族に話を聞かずに持ち込まれ、ブラジル憲法や先住民の自由意思による事前かつ十分な情報に基づく同意を求めた国際労働機関(ILO)の先住民の権利に関する条約に反していると訴える。これは交渉ではなく「要求と抵抗の場だ」と位置付ける。
ムンドゥルク族はルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領との面会を要求したが、駐日ブラジル大使を務めたこともあるアンドレ・アラーニャ・コヘーア・ド・ラーゴCOP30議長が1時間以上、代表者の話に耳を傾けた。赤ん坊を抱き上げ、「助けたい、助けたい」と伝えた。