「アマゾンはブラジル国家や企業の空間ではない」
ムンドゥルク族の人口は推定1万4000〜1万6000人。ムンドゥルクは「アリの軍隊」を意味し、歴史的に戦闘集団として恐れられたことから名づけられた。独自の戦士文化・儀礼を持ち、身体に特徴的な入れ墨をする伝統があり、生活は川・魚・森林資源に依拠している。
「ずっと違法採掘、農薬、水銀に苦しんできた」と訴えるムンドゥルク族の女性(筆者撮影)
ムンドゥルク族の女性は「ずっと違法採掘、農薬、水銀に苦しんできた。もうたくさんだ。子供たちの未来を交渉する意味などない。母なる自然を交渉する意味などない。COP30が私たちの問題を解決するわけではない。COP30は先住民の声に耳を傾けなければならない」と訴えた。
「私たちの子供たちは何を食べるのか。都会から運ばれてきたビスケットを食べるのか。私たちは携帯電話を持ち、服を着ていると言われ、すでに多くの偏見に苦しんでいる。今、彼らは炭素クレジットで私たちの心をさらに植民地化し、人々を分断しようとしている」
その訴えには「アマゾンはブラジル国家や企業の空間ではなく、われわれ先住民の領域だ」というメッセージが込められている。川は「母であり、命であり、聖なる存在」であるにもかかわらず、政府や企業が航路・水力・観光・輸送路のため一方的に利用・管理している。