3日前にもブルーゾーンの入口を強行突入

 11月11日夕にもブルーゾーンへの入口でタピナンバ族など先住民グループ数十人が「中に入らせろ」「私たちのことを私たち抜きで決めるな」と叫びながら強行突入。金属探知機のゲートを通過してブルーゾーン内に押し入る騒ぎが起きた。警備員2人が軽傷を負った。

 先住民は「私たちの土地や森は売り物ではない」「農業ビジネス、石油開発、違法鉱山、違法伐採から土地を解放せよ」と口々に叫んだ。COP30は「気候資金」の話が中心で、土地と森林と川を守らなければ先住民は生活できないという痛烈な批判が込められている。

 ルラ大統領はCOP30を「先住民と伝統的コミュニティーからインスピレーションを受ける場」と繰り返し演説してきた。しかし先住民側からは実際の交渉・政策決定の場には十分にアクセスできず、石油・インフラ・農業開発はこれまで通り進んでいることへの強い不満がある。

COP30のアナ・トニーCEO(筆者撮影)

 COP30のアナ・トニーCEOは「ここ数日に起きた出来事についてわれわれはアマゾンでCOPを開催しているからこそ生まれた状況と受け止めている。ルラ大統領がCOPをサンパウロやリオ、ブラジリアで開催していたらこうした状況にはならなかった」と語る。