生成AIはあなたの部下か、それとも思考を補助してくれる相談相手か(wal_172619によるPixabayからの画像)

生成AIをうまく使う「型」と問題点

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 生成AIの使い方を巡り、最近一つの「型」が広く流通しています。

 それは「# 見出し」と「- 箇条書き」を多用してプロンプトを書くべきだ、という考え方です。

 ユーチューブやSNSでは、こうした構造化されたプロンプトこそが「AIをうまく使うコツ」だと繰り返し語られています。

 本当に、それは今の生成AIにとって最適な使い方なのでしょうか。

 実務で生成AIを使い込んでいる立場から見ると、そこには強い違和感があります。

 むしろ「考えさせたい」「深い洞察を引き出したい」と思う場面ほど、箇条書きで命令した途端に、AIの思考が浅くなることを実感します。

 なぜ、このような逆転現象が起きているのでしょうか。

 背景には、生成AIそのものの進化と、私たち人間側の使い方の更新不足があります。

 そもそも「# と - で構造化するプロンプト」が広まったのは、米オープンAIの生成AIである「ChatGPT」の「GPT-3.5」から「GPT-4」初期にかけての時代でした。

 当時の生成AIは、文脈理解がまだ十分とは言えず、役割・目的・制約を明示的に与えないと、意図から外れた出力になりやすい傾向がありました。

 そのため「Role(役割)」「Task(タスク)」「Constraint(制約)」といった項目を分解し、箇条書きで指示する方法には、確かに一定の合理性がありました。

 しかし、現在の生成AIは事情が異なります。

筆者作成