部下として使うか思考補助に使うか
一方で注意が必要なのは、判断や洞察、文脈理解をAIに期待する場面です。
経営判断に関わる文章、論考、解説記事、あるいは複数の要素を統合して意味づけるような作業では、箇条書きはかえって制約になります。
命令が細切れになることで、AIは全体像よりも条件の消化に意識を向けてしまうからです。
ここで重要なのは、生成AIを「部下」や「ツール」として扱うのか、それとも「思考を補助する相手」として扱うのかという視点になります。
前者であれば、箇条書きによる指示は合理的です。
後者であれば、自然文による問いかけの方がはるかに力を発揮します。
実務の現場では、この2つを意識的に使い分けることが求められるでしょう。例えば、最初は自然文で大枠の方向性や問題意識を伝え、最後の仕上げや形式調整の段階で箇条書きを使います。
こうした併用こそが、現在の生成AIと最も相性の良い使い方だと言えるでしょう。
生成AIの進化によって、人間がすべてを細かく管理する必要はなくなりつつあります。
しかしその一方で、「何を考えさせ、何を処理させるのか」を見極める力は、これまで以上に重要になっています。
以上見てきたように、箇条書きプロンプトは今も有効な手法です。ただしそれは万能ではなく、目的に応じて使い分けるべき技法になります。
生成AIをどう使うかは、単なる操作方法の問題ではなく、私たち自身が「考えること」とどう向き合うかの問題でもあるのです。