トライアウトは最後の区切り、最後のチャンス
しかしもともとの提唱者である日本プロ野球選手会は、存続する意義があるとして今年から選手会主催で存続することになった。
筆者は昨年12月に日本プロ野球選手会の森忠仁事務局長に話を聞いた。
「これまで球団持ち回りでずっとやってもらっていたんですが、球団としては、シーズン中から選手を見ているので、特にトライアウトを見て取る取らないを決めるわけではなくなっていると。だから12球団持ち回りでやる必要はないということでした。
選手会の立場としては、トライアウトは最後の区切りであり、最後のチャンスでもある。そういう機会があってもいいのかな、と。
日本プロ野球選手会の森忠仁事務局長(筆者撮影)
例えば、そのシーズンにケガをして満足にプレーできないまま戦力外になった選手が、その後、故障が治ったときなどに、プレーを見てもらう場所があってもいいと思います。
それに、家族を呼んで本拠地球場などで引退試合ができる選手はいいけど、そういう選手ばかりではないですから。やはり、トライアウトは、最後のユニフォーム姿をご家族に見せる場としても必要なのではないかと思います。
今年は『最後かもしれない』とトライアウトを受けた選手が何人かいました。元ロッテの島孝明は、5年ぶりでしたがいい投球をしました。彼にしたってNPBから声がかかったら、復帰したかもしれない。そういう可能性もありますからね」
日本プロ野球選手会主催となった今年の「12球団合同トライアウト」は、冠特別協賛スポンサーに不動産会社「エイブルホールディングス」を迎え、「エイブルトライアウト2025~挑め、その先へ~」として開催されることになった。
今年のトライアウト。会場のマツダスタジアムには開始1時間半前から多くのファンが詰めかけた(筆者撮影)
開始前の説明会(筆者撮影)