11月3日、ドジャー・スタジアムで行われたワールドシリーズ優勝祝賀会で英語でスピーチする大谷翔平(写真:ZUMA Press/アフロ)

エンゼルスで6年、ドジャースで2年、計8年をLAで

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「来年もチャンピオンリングを取りに行く準備はできている」――。

 ワールドシリーズ2連覇を成し遂げた2日後の現地時間11月3日、ドジャース・大谷翔平の力強い英語スピーチがロサンゼルスの中心街に響き渡り、青空を突き抜けた。5万2000人を超えるドジャースファンが詰めかけた世界一パレードは、もはや大谷の“独壇場”だった。ブルージェイズとの第7戦までもつれた死闘を制した後のその一言に、LAは再び熱狂した。

 ドジャース2年目のレギュラーシーズン成績は打率.282、55本塁打、102打点。そして146得点、長打率.622、OPS1.014はいずれもリーグトップだ。DH部門で3年連続、通算4度目のシルバースラッガー賞受賞となり、イチローの3度を上回って日本人最多を更新した。

 しかも今季は中盤以降、右肘手術からの投手復帰も果たし、投打二刀流としてポストシーズンを駆け抜けた。ドジャースの連覇を支えた最大の原動力であることは、誰もが認める事実だ。

 エンゼルスで過ごした6年間を通じ、LAに根を下ろしたかに見える大谷。しかし、MLBの舞台裏では「彼は本当に生涯ドジャースを貫くのか」というテーマも静かに浮上している。西海岸に築かれた黄金時代の牙城を崩そうと、東海岸の名門が虎視眈々と機をうかがっている。いま最もその動きを強めているのが、ヤンキースだ。