米国に富裕税が導入されたらオープンAIのIPOは実現しない

「(トランプ氏でも)中国の習近平国家主席のように完全な権力を持っているわけではない。フランスの一部の経済学者は富裕税を提唱しているが、言うは易く行うは難し、だ。たとえば米国に富裕税が導入されたら、オープンAIのIPO(新規公開株式)は実現しない」

 株式が上場されたら毎年現金で富裕税を払わなければならない。オープンAIのように評価額が1兆ドルとも囁かれる企業なら創業者サム・アルトマン氏や初期出資者マイクロソフトは毎年莫大な富裕税を支払わなければならなくなる。上場は選ばない。

 米民主党エリザベス・ウォーレン上院議員のような富裕税提唱者は「ヨット、美術品、宝石などの資産にも課税する」と唱えるが、それらの価値をどう査定するのか。トランプ氏は内国歳入庁の職員を半分に減らしたため、誰が米国中の億万長者の邸宅を回って資産査定するのか。

「富裕税を導入したら結果は明白。課税が容易な上場株や現金などの『見える資産』から、課税の難しい『見えにくい資産』のビットコイン(暗号資産)、美術品、宝石へと富が確実に移動する」とセイラー教授は分析する。