各エージェントの振る舞いの違い
——チャットボットは手持ちの答えをとりあえず返すけれど、エージェントは何が最適かをちゃんと考えて計画してくれる、という理解で良いでしょうか。
小林:その通りです。
さらに、エージェントごとにサービスの癖や得意・不得意があります。例えば、文章や画像などのファイル生成に強いエージェント、ウェブ操作が得意なエージェントといった具合です。今後はそうした違いが、エージェント同士の差別化ポイントになってくるでしょう。
また、ユーザーの目から見ると1つのエージェントが答えているように見えても、裏側では別のエージェントにアクセスしてタスクを任せているケースもあります。つまり、バックエンドでは複数のエージェントが複雑に連携し合い、協力して1つのタスクを実行してくれる世界が生まれつつあるのです。
(写真:thinkhubstudio/Shutterstock.com)
——例えばChatGPTに何か指示をした時に、ChatGPT自身ではなく外部のエージェントを使って処理する場合もあるということですか。
小林:現時点ではそういった例はほとんどありませんが、一部では企業が自社システムにエージェント機能を導入していく際に、外部のエージェントにアクセスして処理を代行させる事例が出始めています。汎用の生成AIにもDeep Researchのようなエージェント機能は搭載されてきましたが、まだ汎用的で初歩的な機能に留まっています。
一方、例えば企業が出張予約に特化したエージェントを作ろうとする場合、他のエージェントと組み合わせて共同で設計し、セキュリティ面にも配慮しながら開発を始めています。社内向けに専用エージェントを用意しつつ、必要に応じて外部の高度なエージェント機能も活用するといった取り組みです。