野中が語るチームの「強さ」

 國學院大の独走Vに大きく貢献した3区の野中。4秒遅れでスタートした城西大のキムタイに追いつかれたが、「余裕があったので、『これいけんじゃね』って思って、そこはめちゃくちゃ楽しかったですね」と自身の走りを振り返った。

 そして4区の辻原にタスキを渡したときは、「前は城西大しかいなかったので、辻原が見えたときは笑顔になりました。これで負けたら、あいつが悪い、と思うので」と笑った。それぐらい盟友の“逆転”を信じていたようだ。

 見事、連覇を果たした國學院大。昨年のチームとはどんな違いがあるのか。野中はこう感じている。

「去年は平林(清澄/現・ロジスティード)さんに頼っていた部分がありました。でも卒業されたので、誰がやるのか? 『俺がやってやる!』という気持ちを一人ひとりが持っているのが、今年のチームの強さかなと思います」

 そのなかでも誰が「エース」になるのか。チーム内はそのバトルが勃発している。

「上原さん、青木さん、辻原がいるので、僕は4番手だと思って練習しています。そのなかで『勝ってやるよ』と意識して取り組んでいるのがデカいと思います。留学生と戦えたことが凄く自信になりました。全日本も主要区間を前田さんにお願いしようと思っています。楽しそうなのは2区か7区だと思うんですけど、7区は『ウ~ン』という感じですね。箱根ですか? 1、3、7区かなと思っています。2区は権太坂と戸塚の坂で止まります(苦笑)」

 國學院大の次期主将で“新エース”にも名乗りを挙げた野中。連覇を狙う全日本と初優勝を目指す箱根でもキーマンになるだろう。

 前田監督は全日本に向けて、「今回のレースは非常に良かった。でも、この後が大事になってきます。故障者などが出なければ、飯國新太、浅野結太、髙石樹らも今回のメンバーとほとんど変わらない力があるので、選手層は負けません。あとは決め手となる野中、上原、青木、辻原をもっと磨いていければ、視界良好かなと思います」と自信を口にした。

 11月2日の全日本大学駅伝。ディフェンディング王者の國學院大が再び、力強い継走を見せつける。