2025年10月13日、第37回出雲全日本大学選抜駅伝競走、ゴールをする國學院大・上原琉翔 写真/スポーツ報知/アフロ
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(スポーツライター:酒井 政人)

3区までは大混戦も終盤は國學院大が独走

 今年は“6強”を軸に大混戦が予想されていた出雲駅伝。レースは2~3区で大きく揺れ動いた。

 1区は連覇を目指す國學院大・青木瑠郁(4年)を軸に進むと、残り1kmで中大・岡田開成(2年)がスパート。そのまま首位を突っ走り、トラックのスピードに勝る中大の先制攻撃で幕を開けた。“6強”は大きく出遅れることなく、駒大が2秒差、創価大が13秒差、國學院大が14秒差、青学大が18秒差、早大が23秒差でタスキをつないだ。

 2区は早大・山口智規(4年)が急上昇。区間2位に26秒差をつける圧巻の快走で臙脂のタスキが首位に立った。駒大が5秒差、創価大が21秒差、國學院大が24秒差で食い止めた一方で、中大と青学大は53秒以上、距離にして300m以上の大差をつけられた。

 中盤のポイント区間である3区は早大・鈴木琉胤(1年)と駒大・桑田駿介(2年)がトップを並走すると、7位で走り出した城西大のヴィクター・キムタイ(4年)が上がっていく。キムタイは3年連続の区間賞。28秒前にいた早大を逆転して、城西大が首位に立った。國學院大は野中恒亨(3年)が区間2位と大健闘。早大を抜き去り、5位から2位に浮上した。

 勢いが出てきた國學院大は4区の辻原輝(3年)も快走する。城西大をかわしてトップに立つと、17分20秒の区間新記録を樹立。2位の早大に23秒差をつけた。5区の高山豪起(4年)も区間2位と好走して、後続を突き放す。後続に43秒以上のリードを奪うことに成功した。

 最終6区は主将の上原琉翔(4年)が悠々と駆け抜けて、國學院大が2時間9分12秒で連覇を達成。2位に早大、3位に創価大が入った。アイビーリーグ選抜が4位で“6強”と呼ばれたチームは駒大が5位、青学大が7位、中大は10位でフィニッシュした。