ターニングポイントUSA創設者のチャーリー・カーク氏とトランプ氏=2024年12月22日(写真:REX/アフロ)
9月10日、ユタ州のバレー大学でイベントに参加していた31歳の保守政治活動家、チャーリー・カークが銃撃され、死亡した。容疑者は、22歳のタイラー・ロビンソンで、逮捕され、検察に訴追された。この事件に対して、トランプ政権は、異例の対応を展開しており、アメリカの分断が深まっている。
チャーリー・カークという男
チャーリー・カークは、1993年10月14日にイリノイ州シカゴ郊外で生まれた。高校のときから、学内外で反リベラルの立場からの政治的言動を行った。ハーパー・カレッジに進学し、中退した後、ベネディクティン大学に進み、ここでも政治活動を展開した。そして、2012年に、草の根の学生組織「ターニングポイントUSA(TPUSA)」を設立した。この組織の目的は、「小さな政府」、自由主義経済などの理念を広めることである。
私は、フリードリッヒ・ハイエクが設立した経済学者の団体、MPS(Mont Pelerin Society)のメンバーであったが、ハイエクなどは中央銀行廃止すら提唱する「小さな政府」の信奉者であった。ミルトン・フリードマンもメンバーであり、カークはフリードマンの著書を受けて感銘を受け、その思想を広めようとしたという。
私は、MPSのネットワークで、アメリカの保守派のシンクタンクやリーダーたちと親交を深めることができ、様々なイベントにも招待されたし、今もそれは続いている。ヘリテージ・ファウンデーションなどは、設立当初からの付き合いである。
また、福音派などキリスト教系の大学で授業をする機会も与えられた。以上のような経験から、チャーリー・カークが、私が教えていた学生たちと親和性があるように思えてならない。
