パム・ボンディ司法長官(右)とクリスティ・ノーム国土安全保障長官(9月15日ホワイトハウスで、写真:AP/アフロ)
左派ネットワーク解体を指示
米国の保守派活動家チャーリー・カーク氏の殺害事件(2025年9月10日、ユタ・バレー大学)を受け、ドナルド・トランプ米大統領と側近、司法省最高幹部たちは、カーク氏の死について不適切、挑発的、あるいはヘイトスピーチ(憎悪発言)を行った人物を処罰すべきだと主張し出した。
トランプ氏はこの事件について9月15日、ホワイトハウスで記者団に対し、こう述べている。
「インターネットを通じて容疑者が過激化した。彼は左派だ。左派には多くの問題がある。左派は保護されているが、保護されるべきではない」
(Trump vows to hit 'radical left' after Kirk's killing | AP News)
これを受けて、トランプ氏の側近のスティーブン・ミラー次席補佐官は、カーク氏が配信していたポッドキャスト番組に出演し、こう述べた。
「カーク氏が最後に送ってきたメッセージは、『この国で暴力を助長している左翼組織に対抗するため組織的な戦略を立てる必要がある』というものだった。左派組織の解体が必要だ」
パム・ボンディ司法長官は9月15日、16日にポッドキャストとSNSで、こう述べている。
「ヘイトスピーチで誰かを標的にしている人がいれば、その人物を逆に標的にして厳しく対処する」
「暴力的な脅迫を招くヘイトスピーチは、憲法修正第1条で保護されるものではない。それは犯罪だ」
さらにトッド・ブランチ副司法長官は9月16日、CNNのインタビューで、トランプ氏がワシントンのレストランで食事をしていた際に抗議活動を行った人々は罪を犯した可能性があると示唆した。
(ブランチ氏は、トランプ氏が起訴された複数の事件で弁護人を務めた人物である)
(What to Know About ‘Hate Speech’ and the First Amendment - The New York Times)
カーク射殺事件を機に、トランプ政権は総動員で「左派狩り」とも言えそうな対応に本腰を入れ出したのだ。