親が加入している生命保険、知ってる?(写真:ideyuu1244/イメージマート)
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Money&You取締役でファイナンシャルプランナーの高山一恵氏のもとに寄せられた相談事例を通じてマネープランを考えていく連載「人生100年のマネー相談」。今回は、親の死後、しばらくして親の保険証券を見つけ、あやうく保険金を受け取れないところだった50歳の会社員からの相談事例です。

(高山 一恵:Money&You取締役、ファイナンシャルプランナー)

(注:相談者のプライバシーに配慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください)

 今回、相談にやってきたのは、50代の会社員男性Oさん。資産運用の相談にいらっしゃる前日に、たまたま実家の整理をしていたら、亡くなった父親の保険証券を発見したとのこと。父親の生前、生命保険に加入しているなんて聞いたことがなかったので、Oさんも母親も驚いたそうです。Oさんは、父親が亡くなってからかなり時間が経っているので、死亡保険金を受けとれるのか心配していました。

保険金請求には「3年」の時効がある

 Oさんの父親が亡くなったのは2年ほど前のこと。受取人は母親で、500万円の死亡保険金を受け取れる内容でした。

 生命保険の請求には時効があります。ほとんどの生命保険は、その契約の取り決めをまとめた「約款」で時効を定めています。

 約款には「保険金等を請求する権利は、権利を行使できるときから3年間請求がない場合には消滅します」と記載されていました。

 結論から言うと、Oさんの場合は、保険会社に請求すれば保険金を受け取れることになります。

 そのことを伝えると、Oさんはホッとした様子で「すぐに保険会社に連絡します!」とのことでした。

 そもそも、生命保険の請求に時効があることを知っている方は、意外と多くありません。ただし、実際には、保険請求の期限が過ぎてしまっても、必要な書類などが揃えば請求できるケースもあるようです。期限を過ぎてしまったからといって、あきらめずに必ず連絡をするようにしましょう。

 参考までにかんぽ生命の場合は、約款上の時効は5年となっています。