「米国売り」で米国債への投資チャンス到来?(写真:ShutterstockProfessional/Shutterstock.com)

(頼藤 太希:Money&You代表取締役/マネーコンサルタント)

 2025年4月、米トランプ大統領は世界の貿易相手国に対して関税を導入すると発表。第1弾として、すべての輸入品に一律で10%の関税を課し、第2弾では米国との貿易赤字額が大きい国や地域に対して関税率を上乗せする「相互関税」を導入するという内容でした。

 関税を巡る一連の動きにより、世界経済の後退リスクが懸念され、世界的に株価が下落しました。この間の主な株価指数を調べると、

【日経平均株価】
3月28日 終値3万7120円→4月7日 終値3万1137円(−5983円・−16.1%)

【S&P500】
3月28日 終値5580ドル→4月8日 終値4982ドル(−598ドル・−10.7%)

【NYダウ】
3月28日 終値41583ドル→4月8日 終値37645ドル(−3938ドル・−9.4%)

 と、わずか10日間ほどで大きく下落したことがわかります。株価暴落が起こった後、2025年4月10日に相互関税導入を90日延期すると発表したことで、株価は急騰しました。

 その後は乱高下が続き、現状はやや下落基調となっています。

 いわゆる「トランプショック」の影響は、株式市場だけでなく、為替や米国債にも影響が出ています。

【ドル円】
3月28日 1ドル149.81円→4月21日 1ドル140.88円(−8.93円)

【米国債10年利回り】
3月28日 4.251%→4月21日 4.416%(+0.165%)

【米国債30年利回り】
3月28日 4.63%→4月21日 4.905%(+0.275%)

 全体を通じて、「米国売り」になっている状況であることがわかります。

 しかし、米国債投資をするタイミングとしては絶好のタイミングが来たとも言えそうです。

 世界一安全な債券でありながら、金利が高い。にもかかわらず、円高水準になった今、魅力度がアップしているからです。

 では、そもそも米国債とはどのようなものでしょうか?