金利低下局面では「償還期限が長く、金利の高い債券」を保有

 先ほど、これからは米国の市場金利は低下していく方向にあると話しました。こうした金利低下局面では、発行される債券の金利が低下していきます。ですから、今度はなるべく償還期限が長く、金利の高い債券を選ぶのが良いでしょう。そうすれば、市場金利がさらに低下しても、比較的高い金利を受け取り続けることができます。

著書「マンガと図解でよくわかる 最高の米国債投資術」(ソシム)より抜粋

 他方、金利上昇局面では、発行される債券の金利が上昇していきます。金利上昇の恩恵を受けるためには、償還期限の短い債券を選ぶのがベターです。償還日を迎えたら、新たに償還期限の短い債券に乗り換え(ロール)すれば、前に投資していた債券よりも高い金利が得られるようになってお得です。

著書「マンガと図解でよくわかる 最高の米国債投資術」(ソシム)より抜粋

 ライフイベントのためにお金を貯めたい場合、ライフイベントの近辺に満期を迎える米国債のなかから、一番利率の高いものを選ぶのも手です。しかし、米国債は途中で売却できますので、上記の戦略で投資するのが王道です。円高になれば為替差損が生じることもありますが、金利収入もありますし、ドルを円に戻すタイミングは自分で決められるので、大きな問題にはなりません。

 なお、米国債の購入価格には注意しましょう。額面の100%の価格で償還されるため、額面より高い価格で購入した場合、高すぎると利回りを考慮しても償還時に損をする可能性があります。価格と利回りのバランスも見て投資することが鉄則です。

マンガと図解でよくわかる 最高の米国債投資術』 頼藤太希/高山一恵 著
米国債の特徴やリスクをはじめ、投資戦略やモデルケース別の購入例、口座開設から注文方法、売却や取り崩し戦略まで、オールカラー・マンガと図解でわかりやすく学べる1冊
頼藤 太希(よりふじ・たいき) (株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント
中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。日テレ「カズレーザーと学ぶ。」、TBS「情報7daysニュースキャスター」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「定年後ずっと困らないお金の話」(大和書房)など書籍100冊、累計180万部超。日本年金学会会員。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki