Swarmerは、その操縦者不足を補うことができるため、価値のある技術となっています。
なお、6月1日に実施されたロシア軍の爆撃機を目標とした攻撃、スパイダーウェブ作戦では、Skyfall Industriesのドローン、Dwarf EngineeringとSwarmerのドローン制御技術が使用された可能性があります。
もう一つのBrave1
Brave1は、もう一つ、別の活動も行っています。それは、「Brave1 Market」と名付けられたECサイトです。ブースには、Brave1 Marketのデモ画面も展示されていました。

ただしBrave1 Marketは普通のECサイトではありません。ウクライナ軍の部隊向けECサイトであり、ここからドローンなどの装備品が購入できるのです。前線近くであっても、戦闘中であっても、たった数人の部隊であっても、Brave1 Marketに接続する手段と権限があれば、その時点で必要とする装備を購入することができ、それが数日の内に必要とする者に届くのです(ただし、銃器は扱っていません)。
これが実現できている理由には、ウクライナ軍の補給・調達が本邦自衛隊とは大きく異なることも関係しています。
自衛隊では、防衛装備庁が調達し、補給処を通じて装備品や各種資材、燃料などが各地の部隊などに送られるものが大半です。これは、中央調達と呼ばれるもので、陸海空で比率に差がありますが、特に陸自ではその比率が高くなっています。
空自の場合、中央調達でないものは基地調達と呼ばれています。各基地に対して、項目毎に予算額だけが割り当てられ、基地所在部隊からの補給請求に応じて基地の会計隊が、契約して購入します。少し前に騒がれたトイレットペーパーなどは、基本的にこの基地調達です。基地所在部隊からの補給請求が遅延し、年度末に慌てて請求するようなことがない限り、トイレットペーパーを隊員が自費購入するようなことにはなりません(陸自、海自も、組織的な差異があるため全く同じではありませんが、同様の仕組みがあります)。