
(数多 久遠:小説家・軍事評論家、元幹部自衛官)
5月3日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領空に中国海警局のヘリコプターが領空侵犯を犯しました。
ロシア機も含め、最近は領空侵犯が頻発しており、またかと思う方も多いでしょう。しかしながら、今回の領空侵犯は、過去の事例とは大きく異なり、数年後にはエポックメイキングな事例だったと認識される事件である可能性があります。
また、今回の事例は、今後同種の事例が発生した場合には、警告射撃や我が国の空港に誘導する等の強硬な措置を実施しないと、尖閣が国際司法裁判所に持ち込まれた場合には、不利になる可能性を生じさせかねない事例でした。
今回の領空侵犯が、過去の事例とどう異なり、毅然とした対応をしなければ、どのような影響を生じるのか解説したいと思います。