リベラル攻撃

 ハーバード大学に対する攻撃の理由は、トランプによれば、「ハーバードが反ユダヤ主義で、反ユダヤ活動を行っているからだ」ということである。

 トランプを支持する保守的白人層は、反知性主義、反エリート主義で凝り固まっている。アメリカでは、プロテスタントの信仰、民主・平等という価値が反知性主義を生むことになる。

 聖書こそ科学の権威の源泉であり、聖書を科学の上に置く態度からすると、「聖書的世界観」を欠いているマスコミや知識人、つまりリベラル派は批判すべき対象である。まさに、ハーバード、イェール、プリンストンといった大学こそ、左翼リベラルの牙城であり、唾棄すべき知性主義の典型なのである。

 2023年秋から始まったイスラエルによるガザへの攻撃に対しては、世界中で抗議の声が上がった。アメリカの大学でも親パレスチナのデモが起こり、またユダヤ人学生が嫌がらせを受けた。トランプ政権は、それを大学当局が取り締まらなかったことを問題にしたのである。しかし、イスラム教徒の学生がひどい扱いを受けたこともまた報告されている。

 大学は主義主張、思想信条は自由であるべきであり、キャンパス内で論争が起こるのはむしろ健全である。

 そもそも、トランプ政権が問題にする反ユダヤ主義とは何か?