日銀が保有する金はどこにある?
志田:日銀が国会の審議で明らかにしているのは、過半数はニューヨーク連銀。一部は国際決済銀行(BIS)などに置き、残りを日銀で保有しているとされています。安全性やアクセスのしやすさを考えてこのような分散をしていると説明しています。
——中国などはどこに保有しているのですか。
志田:中国は有数の産金国でもあり、国内で掘った金を中央銀行に入れるような動きをしていると思います。中国は2300トン近く保有する金を全て国内で保管しているとされています。
最近では生命保険会社に金の運用を許可しており、金融機関など民間の金保有も増えているでしょうね。足元でも中国勢を中心にアジア勢の金買いが相場を相当押し上げています。
——金に関心が高まると、世界全体で金を掘ろうという機運が高まるのでは。
志田:金相場の上昇に伴い、産金量も増えています。かつては3000トン以上だったものが、今では3500トン以上に増えています。金価格が上がると、今まで採算が取れていなかった鉱山でも取れるようになったり、技術革新が進んだりしています。
——どんどん画期的な技術が開発されて大量に掘られると、価格も下がっていくのではないですか。