ドイツは国内回帰、ロシア戦争で他国保有の懸念浮上
志田:依然として8000トン強を持つ米国が一番です。次いでドイツが3000トン以上保有しています。あとはヨーロッパ諸国などが続いてきます。
——最近ではドイツがニューヨーク連邦準備銀行に預けている保有金をドイツ国内に戻そうという議論が出ていますね。
志田:ドイツはすでに国内に金を戻した過去もあります。東西ドイツに分断していた時は、東ドイツに旧ソ連軍も駐留しており、急に攻め込まれて金を奪われるかもしれないという懸念から、隣のフランスに保有していました。
冷戦後はフランスやイギリスのロンドンなどからも金をドイツ国内に戻しています。ただ今も1200トン以上はニューヨーク連銀に置いています。それが本当に大丈夫なのか?みたいな議論が起こっています。

——それはトランプ政権になってからでしょうか。
志田:それ以前にロシアが国内にある海外資産の凍結まで踏み込み込んだこともあるでしょう。さらに、同盟国とはいえ今のトランプ政権を見ると何をするかわからないということも背景にあるのでしょう。
——では、日本が保有する金はどこにあるのですか。