「頑張ったサラリーマンが罰せられる」
橘:厚労省の基準では年収800万円は「富裕層」になるようですが、たとえ共働きで世帯年収が1000万円を超えていても、東京でマイホームを買い、子ども2人を私立に通わせたら家計はカツカツでしょう。それにもかかわらず、この「貧乏な富裕層」がさらに多くの社会保険料を払わされようとしています。
年金に限らず健康保険や介護保険も同じですが、日本の社会保障制度は「頑張って働いた者が罰せられる」仕組みです。その一方で、都内の一等地に時価何十億の不動産資産をもっていても、年金収入しかない高齢者は「低所得者」に分類されています。
日本には「リベラル」を掲げるメディアや団体がたくさんあって、「あらゆる差別と闘う」と宣言していますが、それにもかかわらずこのような不公平・不平等を容認するばかりか、世代間の大きな格差(不平等)を指摘する経済学者らを「世代間対立を煽るな」と恫喝して黙らせてきた。これが現役世代から見た日本の現実です。

20代・30代が国民民主党をはじめとした新興政党に投票するのは、他党には希望を持てないからでしょう。そんな中、社会への一種の「破壊願望」をもつ者たちが現れても不思議はないと危惧します。
そういう意味で、国民民主党代表の玉木雄一郎氏は「ネットのどぶ板」を続けるなかで、これまでどの政党も拾い上げられなかった「現役世代の怒り」というブルーオーシャンを発見したのだと思います。
──昨今、現役世代でこれほど資産防衛に関心が高まっているのは、負担が増え続ける国の福祉政策に対する不信感があると思います。