143試合制のままでよいのか
現在、MLBの公式戦は162試合、NPBは143試合。
今年で言うと、MLBは東京シリーズを除いて3月27日から9月27日までの184日間で162試合を消化する。期間中、88.4%の日で試合がある。
これに対してNPBは3月28日から10月2日の188日間で143試合、こちらは76.1%だ。
NPBからMLBに移籍した選手は、NPBよりも12%も試合が多い過密でハードなMLBの日程に戸惑うのだ。
MLBでは期日内に日程を消化するため、雨天などで中止になると、その対戦の最終日がダブルヘッダーになる。しかしNPBは、ルール上は今も認められているが、ダブルヘッダーは選手の消耗と、興行的な側面から、1998年10月を最後に行われていない(ただし2020年のコロナ禍では例外的に7回制のダブルヘッダーが数試合行われた)。
NPBの本拠地球場での観客動員率は、7球団で90%を超えている。阪神タイガースのように、4月にシーズン終了までの前売りチケットが売り切れる球団も出てきている。観客動員は飽和状態に達しつつある。
今のNPB球団は、チケット代にダイナミックプライシングを導入するとともに場内での物販、飲食の単価を上げて売り上げ増を狙っているようだが、観客に大きな負担をかけることなく売り上げを増やすには「試合数増加」も検討すべきだろう。
アメリカよりもはるかに移動距離が短い日本で、公式戦を160試合程度にするのはそれほど難しくない。選手の消耗が激しくなるから、一軍登録選手数を増やすなどの対応が必要になるだろうが、より多くの観客に試合を見てもらうことを考えるべきではないか。