摘発されても終わらない立花孝志的な何か

 事実、立花孝志さんは「NHKをぶっ壊す」的な特徴あるテーマ(シングルイシュー)で大きな仮想敵を作り上げ、一緒に巨悪と戦っていくのだという意味不明な物語を作り上げて支持者を熱狂させようという手法で生き残ってきました。

 ピュアにいまの日本政治の問題点に憤り、正義を抱いて社会を変えるのだと考えている人もいるでしょう。ただ、同時にネットで起きる事件やガセネタに流されて非日常感にハマり、うだつの上がらない日々を変えるために救世主になる幻想に浸り、盲目的な支持者になる面々も多いのです。

 こうした手法は心酔してくれる支持者がファンネルとなり、犬笛ひとつで標的に噛みついてくれることを期待してネット内で動員を図ることが大前提ですが、実際には熱狂は現実に直面するとすぐに冷めてしまいます。

 突き詰めれば、現在執行猶予中でありながら、いまなお竹内さんや関係先に対する誹謗中傷を行うだけでなく、支持者を煽動し、千葉県知事選も含めて公職選挙に渡るように出馬を繰り返す立花孝志さんとその周辺の面々は、実質的に反社会的勢力であると強く指弾されても仕方がない状況になっています。

 兵庫県警も神戸地検も相応に頑張っているところではないかと思いますが、何よりも、今回は7月に参議院選挙があります。今回、改選となるNHK党の浜田聡さんは単体では議席の確保が難しく、立花孝志さんも摘発のタイミングによっては出馬が困難です。

 そこで、YouTuberとして著名なヒカルさんや青汁王子(三崎優太)さんを担ぎ出す計画があると、立花孝志さんの周辺も計画を語っています。事実であれば、2022年参院選のガーシーさんのときと同様に、議席確保と得票2%の政党要件の確保を目指すものと見られます。

 それゆえに、立花孝志さんを仮に摘発したとしても、問題は終わらないのではないかとも認識されています。つまり、いまの公職選挙法の仕組みでは、参院選比例代表で当選議員が辞職するなどして欠員が出ると、リストに掲載されている次の候補者が繰り上げ当選になります。

 問題の本質は「立花孝志さんを摘発してもNHK党のような立花孝志的な何かが続いてしまう」ことなのです。