本物のフェイクニュース攻撃受けたトランプ、「元KGB工作員」情報駆け巡る
米メディアは沈黙、欧州メディアは「噂の拡散」事実を伝える
2025.3.15(土)
高濱 賛
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KGBリクルートは2021年にすでに暴露済み
ムサエフ告発文は、英仏など欧州各国の主要メディアが取り上げた。特にウクライナのメディアは、トランプ氏の一方的なウクライナ戦争の停戦案を押し付けられて穏やかでないためか、結構詳しく報じている。
ムサエフ告発文を受けて、待ってましたとばかりに、これまで出ているトランプ氏に纏わる「ロシア疑惑」を列挙しているのだ。
一、英情報機関員、クリストファー・スティール氏が書いた機密文書によれば、ロシアは「コムプロマット」(Kompromat)作戦(ニセ情報などを使った情報作戦)でトランプ氏の「ゴールデン・シャワー」*2のビデオテープを保持していた。
*2=トランプ氏がモスクワのホテルでロシア人売春婦とセックスプレーに興じていた場面をビデオに収めていたとされる。
二、元KGB工作員、クレイグ・アンガー氏著の『American Kompromat』(2021年刊)によれば、トランプ氏は1980年代、ソ連のスパイにリクルートされていた(ムサエフ氏の指摘していることを2021年の段階で明かしていた)。
三、この本によれば、当時タス通信のワシントン特派員を隠れ蓑としていたKGB工作員、ユリ・シビッツ氏が「トランプ氏はロシアのアセット(人的資産)として目をつけられ、反西側プロパガンダを繰り返していた」と述べていた。
四、トランプ氏が最初にロシア情報機関の目に留まったのは、1977年、同氏がチェコ人モデルのイバナ・ゼルニコバさんと結婚(1回目の結婚)した時だ。
イバナさんの父親ミロ氏はチェコ情報機関と近い関係にあった。
チェコ情報機関とKGBは密接な関係にあり、チェコ情報機関が得たトランプ情報はそのままロシア側に流れていた。
トランプ夫妻は1987年、ロシアを訪問、この時KGBと直接接触した。トランプ氏は、いずれ政界に出る話をロシア側に仄めかしていた。
五、アンガー氏によれば、トランプ氏が大統領になることを想定してリクルートしたのではないという。将来大統領になるとは夢にも思っていなかったようだ。
何十人、何百人のビジネスマンの一人としてリクルートしたという。
六、シビッツ氏によれば、トランプ氏はスパイとして雇うには完璧な対象だった。見栄っ張りでナルシストのトランプ氏は、極めてリクルートしやすい対象だった。
(‘Trump Recruited as Moscow Asset,’ Says Ex-KGB Spy Chief)
(Amazon.com: American Kompromat: How the KGB Cultivated Donald Trump, and Related Tales of Sex, Greed, Power, and Treachery )