家電やEVの購入資金も住宅ローンに組み込めるヤマダファイナンスサービス
家電量販店のヤマダデンキグループでは、戸建住宅の販売や住宅ローンサービスも展開している。「ヤマダNEOBANK住宅ローン」(ヤマダファイナンスサービス)では、家電や家具、EV(電気自動車)、EVを蓄電池として利用できるV2Hの購入資金などを住宅ローンに組み込むことができる。
これらの製品を単品で購入してローンを組むと家電品などは3%、4%といった金利になることが多く、利用できる返済期間も短いが、住宅ローンに組み込むことができれば、0%台の金利で購入できる。
しかも、最長35年返済だから、格段に負担は軽くなる。さらに、住宅ローンに組み込むことができるので、別途資金を用意する必要がなく、少ない自己資金でもさまざまな家電品や家具などを購入でき、新居での生活を一段と充実したものにできるかもしれない。

ヤマダファイナンスサービスの2025年3月の変動金利型の最優遇金利は0.448%。この条件で借入額5000万円を35年元利均等・ボーナス返済なしで利用すると、毎月返済額は12万8646円。これに家電品や家具などの購入費加えて5200万円借り入れると13万3792円に増えるが、増額幅は5146円にとどまる。
しかし、家電品などの200万円を、金利3%、10年返済で利用すると毎月の返済額は2万円近くに達する。それが5000円ほどの増額でカバーできるのだから、メリットは小さくない。しかも、ローンの利用額が増える分、ローン控除の対象額が増えて控除額が大きくなる可能性もある。
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金利上昇時期でリスクが高まる可能性がある時期には、そのリスクを極小化するという意味においても、今回見てきたような住宅ローンの金利以外の付加価値部分にも目を向けるようにしてはどうだろうか。
手元に現金資金をできるだけ多く残しておきたい人、あるいはモバイルなどの利用が多い人など、ライフスタイルに合わせて有利になるローンを見つけることができれば、住宅ローンの負担を軽減して、新居での生活をより充実させることができるかもしれない。
【山下和之(やました・かずゆき)】
住宅ジャーナリスト。住宅・不動産分野で新聞・雑誌・単行本などの取材、原稿制作、各種講演、メディア出演などを行う。『住宅ローン相談ハンドブック』(近代セールス社)、『はじめてのマンション購入絶対成功させる完全ガイド2022─2023』(講談社ムック)などの著書がある。