ニューヨーク5番街にあるトランプタワー(写真:Jimin Kim/SOPA Images via ZUMA Press/共同通信イメージズ)ニューヨーク5番街にあるトランプタワー(写真:Jimin Kim/SOPA Images via ZUMA Press/共同通信イメージズ)

 ウクライナ停戦、対中政策、関税など、トランプ氏の外交政策についての報道は多いが、国内政策についての報道は外交政策に比べると少ない。トランプ氏の勢いのある発言からは順調のようにも見える。しかし、その実態、特に内政は相当に厳しいアゲンストの風が吹いているというのが現地を歩いた実感だ。(山中 俊之:著述家/コラムニスト)

 ブランドショップが多く立ち並ぶニューヨーク5番街。その中でひときわ目立つトランプタワーは、言わずと知れた、トランプ大統領が共同所有するニューヨークを象徴する商業ビルだ。

 おそらくテロを恐れているのであろう。入り口には多くの警察、警備の人がいた。さすがに入るだけでは持ち物チェックはなかったものの、ものものしい雰囲気はあった。

 開いている店舗の表示を見て、笑いを禁じ得なかった。Trump Café、Trump Sweets、Trump Grillとすべての店の名称にTrumpが頭についているからだ。これを見るだけでも、トランプ氏がいかに自己顕示欲の塊であるかが分かる。

 トランプタワーから少し離れた場所には、目立つというほどではないがホームレスの人がうずくまっている姿も見える。多くの人々は、ホームレスの人々には目もくれず歩き去る。

 トランプタワーの主は、本来はホームレスの人々を含めた米国社会の責任者でもある。ニューヨークの街を歩きながら複雑な思いを抱いた。

 ウクライナ停戦、対中政策、関税など、トランプ氏の外交政策についての報道は多いが、国内政策についての報道は外交政策に比べると少ない。

 就任1カ月余り。トランプ氏の勢いのある発言からは順調のようにも見える。しかし、その実態、特に内政は相当に厳しいアゲンストの風が吹いているというのが現地を歩いた実感だ。