編み物ブームの火付け役は?
今のブームの火付け役は若者に人気のアイドルやスポーツ選手たちです。なかでも、最も影響が大きいとされるのは、日本の若者に絶大な人気を誇る韓国の5人組ガールズグループ「LE SSERAFIM(ルセラフィム)」の日本人メンバー、SAKURAさんこと宮脇咲良さん。
宮脇さんは「編み物が趣味」と明かし、自らのインスタグラムでたびたび、編み物作品を公開しています。さらに、おしゃれな部屋や移動中の飛行機で得意のかぎ編みに熱中する動画も何度かアップしました。
トップアイドルが一心不乱に編み物をする姿は若者の共感を呼んだようで、宮脇さん自身も作品をブランド化。本人も「スケジュール間の短い待ち時間も有効に活用するために編み物を始めたけれど、今はリフレッシュの手段になっている。静かに集中できる時間、リラックスした雰囲気、完成後の達成感など、編み物をしながら得た経験をFEARNOT(LESSERAFIMのファン)の方々と共有した」かったと話しています。

もう1人の火付け役は英国の水泳・飛び込みのトーマス・デーリー選手です。トーマス選手は2021年に開催された東京五輪で金メダル、2024年のパリ五輪でも銀メダルを獲得しました(いずれも男子10メートル・シンクロ高飛び込み)。
アスリートとして超一流のデーリー選手は、編み物作家としての顔も持っています。世界がコロナ禍に覆われた2020年3月に始めたばかり。経験は5年ほどしかありませんが、腕前は相当なもの。“編み物王子”の愛称を持ち、インスタグラムに開設している編み物専用のアカウントには130万人を超すフォロワーがいます。
東京五輪では、プールサイドの待ち時間に競技用ウエアのままで編み物をする姿が大きな反響を呼びました。さらにパリ五輪に際しては、新作のセーターを発表。中央にエッフェル塔をモチーフにした「PARIS '24」のロゴを配し、裾に英仏両国の国旗をあしらった大胆な図柄が大反響を呼びました。デーリー選手も自身のブランド「MADE WITH LOVE TOM DALEY」を立ち上げ、作品の販売を始めています。