私自身は40年前に銀行員として社会人生活をスタートし、外資系の証券会社、そしてオーナー系のデベロッパーへと転身し、10年前に独立して、現在は大学での教職や会社経営などに携わっています。
大組織での宮仕えに始まり、自分の足で立てるように、徐々にライフシフトしてきました。何となく流れに身を任せていたらこうなったという訳ではなく、自らに「どう生きるか?」を問い続けた結果、ここに至ったということです。
そうした私の半生については、拙著『読書大全』『人生を変える読書』や、様々な雑誌・オンライン記事で語っていますので、そちらもお読み頂ければと思います。
そして、こうした私の人生経験も踏まえて、本コラムでは、「僕たちはどう生きるか?」について、時事問題を踏まえながら考えていきたいと思います。
フジテレビの社長・会長が「辞任する理由」は何なのか?
今、組織人として最も注目すべき話題と言えば、フジテレビの問題ではないでしょうか。ここには、企業のガバナンスからコンプライアンス、ハラスメント、オールドメディアなど様々な問題が包含されています。
最大の謎は、なぜフジテレビはこれまで事実確認をはっきりと行わないまま、無防備に週刊誌やSNSの攻撃を受けてしまったのかということです。芸能人などの個人が攻撃されて、一方的に防戦に回ってしまうというのは、その力関係から理解できますし、個人を寄ってたかって攻撃するという今の風潮もいかがなものかと思います。
しかしながら、フジテレビはマスメディアであり、報道のプロです。自ら問題を解明して反論するべきはする、責任を取るべきは取るという姿勢を貫けたはずなのに、なぜか理由もはっきり示さないまま経営陣が引責辞任するという結果になりました。
私自身、1月27日の記者会見をリアルタイムで見ていて、なぜ社長や会長が辞任するのか、その理由が最後まで理解できませんでした。
そして、やはり会見を見ていてその背後にある、40年以上にわたってトップに君臨し続ける取締役相談役やグループ代表という肩書を持った人物の存在感の大きさを感じざるを得ませんでした。
