アジアは1位インド、2位中国、比韓が続く

 その数は約1155万人。アジア地域からの不法移民は出身国別で見ると、以下の通りだ。

インド         45万8663人
中国          38万7369人
フィリピン       24万7304人
韓国     17万4677人
ベトナム        12万3060人
パキスタン         4万9555人

By The Numbers: Immigration - AAPI Data

 年間ベースでみると、中国人の場合、不法入国者は2022年に2200人だったが、2023年には2万4300人と激増、2024年には3万8200人となっている(2024年に難民申請した中国人は2万4376人だったが、認められたのは162人だった)。

 これは中国経済の悪化や新型コロナ拡散防止のために中国政府がとったロックダウン(都市封鎖)に嫌気がさし、新天地を求めて「難民」として入国しようとしたためと見られている。

 留学生、研究者でビザが切れても不法に滞米する者も少なくない。

 米国に住む中国人(中国系米国人、中国籍)はざっと550万人、そのうち6.9%が「Undocumented Immigrant」ということになる。

Chinese Immigrants in the United States | migrationpolicy.org

 米中両国政府は、これら不法滞在者を中国に送還することで原則合意、2024年後半から月平均100人単位、チャーター便で中国本土に送還している。

(2024年6月に100人、10月に131人、11月に109人などとなっている)

 トランプ政権発足後も、中国外務省スポークスマンは「中国本土出身者で事実関係が検証され、確認された者は帰国、再入国を認める」と発言している。

 中国からの不法移民は、中間層から低所得層までまちまち。

 多額のカネ(相場は5000ドル=約80万円ともいわれている)を周旋業者に払って中米経由でメキシコに入り、そこからテキサスやカリフォルニアとの国境越えやカナダ国境越えを試みる中国人が大多数を占めている。

(不法移民のなかには、公認会計士や医師などもいると、メキシコ国境で入国申請を待っている中国人にインタビューしたテレビ東京のワシントン支局長は報道している)

 ところが皆が皆、新天地を求めて入国しようとしているわけではない。