「HONDA e」の挫折
なによりホンダにはEV開発において苦い経験がある。ホンダ初の本格量産EV「HONDA e」の生産は3年で終了したのだ。
「HONDA e」が挫折した理由の一つに、航続距離の問題があった。
私は、EVを研究しており、2015年にテスラのフリーモント工場に調査にいった(図2)。その時に、モデルルームに展示していたモデルSは航続距離約600kmであった。
また2019年頃の日産2代目リーフは、電池容量62kWh、航続距離は385kmだった。EVの開発に遅れたホンダとマツダが航続距離200km台だった(図3)。なお日産は2代目リーフが発売7年以上経過しているが、モデルチェンジできていない。
それに対して「HONDA e」は、電池容量35.5kWh、航続距離は220kmと短いのが致命傷になった。EV開発においてこのような状態のホンダが、15年後にすべての新車をEV・FCEVに転換できるのだろうか。